117回 A-30
64 歳の男性。上顎右側第一小臼歯の欠損による咀嚼困難を主訴として来院した。
診察の結果、インプラント義歯による補綴歯科治療を行うこととした。上部構造の
精密印象採得を行う直前の口腔内写真(別冊No. 8A)と試適後の個人トレー(別冊
No. 8B)を別に示す。
次に示す 5 つのステップで、 3 番目に行うのはどれか。 1 つ選べ。
a 印象材の注入
b 印象体の撤去
c 接着材の塗布
d 固定用スクリューの撤去
e インプラントアナログの連結
解答:d
解説:
オープントレー法の問題。
口腔内の金属の部品は実は2つの部分に分かれてて、歯茎に近い方の太い方の部品を印象用コーピング、その上の細い部品を固定用スクリューという。
eのインプラントアナログは模型上だけの模型のインプラントのこと。コーピングと連結する。
個人トレーに接着剤をつけて印象材をいれるためcからa。
そして個人トレーの穴から固定スクリューを抜いて取るので次はd。この穴はスクリューを抜き出すためのもの。
撤去したら印象も口の中から取る。印象用コーピングは印象材についてくる。ピックアップ印象するわけである。なので印象の中にあるコーピングにインプラントアナログを連結できる。
c a d b e
117回 A-65
78 歳の男性。歯の喪失による咀嚼困難と審美不良を主訴として来院した。診察
の結果、インプラント義歯による補綴歯科治療を行うこととした。初診時のエック
ス線画像(別冊No. 24A)とある装置の写真(別冊No. 24B)を別に示す。
この装置の目的はどれか。 2 つ選べ。
a CT の撮影
b 審美障害の改善
c 咀嚼機能の回復
d 治療計画の立案
e 発音機能の改善
解答:a d
解説:
サージカルステント。CT撮影でうつるストッピングのようなものを入れてどこにインプラントを埋入するかの目印にする。
117回 B-1
インプラント義歯の上部構造装着に用いるのはどれか。 1 つ選べ。
a 印象用コーピング
b カバースクリュー
c ヒーリングキャップ
d アバットメントスクリュー
e サージカルガイドプレート
解答:d
解説:
a 印象用コーピング ⇒印象体にピックアップされる
b カバースクリュー ⇒インプラント体の蓋のこと(2回法)。歯肉や骨が入り込まないようにする。
c ヒーリングキャップ ⇒インプラント体の蓋(1回法)
d アバットメントスクリュー ⇒〇
e サージカルガイドプレート ⇒インプラントを植立させる位置をシミュレーション通りにするためのもの。
117回 B-72
上顎前歯部のインプラント埋入におけるインプラントショルダーの位置で正しい
のはどれか。 4 つ選べ。
a 隣在歯とは 1.5~2.0 mm の距離をとる。
b 頰舌側に 1.0 mm 以上の骨の厚みをとる。
c インプラント体間は 3.0 mm 以上の距離をとる。
d 水平的に隣在歯の唇側から 1.0 mm 以上口蓋側に設定する。
e 垂直的に隣在歯のセメント-エナメル境から 1.0 mm 根尖側に設定する。
解答:a b c d
解説:
インプラントショルダー⇒インプラントの上の縁の部分
d 水平的に隣在歯の唇側から 1.0 mm 以上口蓋側に設定する。⇒最大豊隆部を結んだ線を超えないようにする
e ティッシュレベルインプラントは2mm必要
117回 D-71
インプラント窩の形成時に熱傷を生じやすい骨の CT 値(HU)は ① 以上で
ある。
①に入るのはどれか。 1 つ選べ。
a 1,100
b 850
c 600
d 350
e 100
解答:b
解説:
CT値が高いほど骨がかたい。⇒埋入窩を形成するときに摩擦熱やヤケドを生じやすくなる。
350以下はやわらかすぎるため一時固定が難しくなってくる。
116回 B-82
56 歳の女性。咀嚼困難を主訴として来院した。上顎左側と下顎右側欠損部にイ
ンプラント義歯による治療を行うこととした。上顎左側に製作した上部構造と模型
の写真(別冊No. 34A)、下顎右側に製作した上部構造と模型の写真(別冊No. 34
B)を別に示す。
Aに比べてBの構造が有利なのはどれか。 2 つ選べ。
a 審美性
b 被圧変位性
c 咬合接触状態
d 着脱時の粘膜刺激
e インプラント体の保護
解答:d e
解説:
A:歯肉と上部構造が上皮結合(ヘミデスモソーム結合)で結合していて付着している。上皮とひっつく。
B:そろばん型のアバットメントを間にかましている。上皮と上部構造が付着しない。⇒粘膜刺激がない。⇒金属が間にあるので審美性が悪い。なので臼歯部によく使われる。
a 審美性:A
b 被圧変位性:骨とくっついているからインプラントには関係ない。
c 咬合接触状態:インプラントは関係ない。上部構造による。
d 着脱時の粘膜刺激
e インプラント体の保護:間にアバットメントがあるので保護できる。
116回 C-30
74 歳の女性。上下顎全部床義歯の維持安定不良による咀嚼困難を主訴として来
院した。診察の結果、上顎にインプラント 4 本を埋入したインプラントオーバーデ
ンチャーを装着することとした。バーアタッチメントのスリーブを義歯床に取り付
けるため、ある操作を行った。スリーブ装着前の口腔内写真(別冊No. 8A)、ある
操作を行った写真(別冊No. 8B)、スリーブ装着時の写真(別冊No. 8C)及び装着
後の義歯の写真(別冊No. 8D)を別に示す。
矢印で示すある操作の目的はどれか。 1 つ選べ。
a 維持力の調節
b バーの位置確認
c スリーブの仮固定
d バー直下歯肉の保護
e 固定用レジンの迷入防止
解答:e
解説:
残っている歯根に金属の土台(インプラント)をとりつけ、それを金属バーで連結しそのバーを挟む構造。
クリップ(スリーブ)を更にはめて義歯にスリーブをうつしてスリーブをピックアップしている。
Bの写真:バー下部のアンダーカットをブロックアウトしている。アンダーカットにはいると義歯が外れなくなる。
その後
Cの写真:レジン。常温重合レジンで義歯とスリーブを咬合圧によって固定する。
なのでeが正解。
116回 C-42
65 歳の男性。咀嚼困難を主訴として来院した。診察の結果、上顎右側第一大臼
歯相当部にインプラントを埋入することとした。埋入予定部位の再構成 CT 冠状断
像(別冊No. 14A)と各種インプラント体の写真(別冊No. 14B)を別に示す。なお、
A、Bともスケールの目盛りは 1 mm である。
埋入するのに最も適したインプラント体はどれか。 1 つ選べ。
a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ
解答:e
解説:
インプラントは長くて太い方が安定する。骨と接触する面積が大きいほどよい。上顎洞に入らないなるべく太いインプラントを考えると長さ7mm、幅4mmのオが適当。
CT(矢状断):白い不透過像が骨、上の黒の透過像が上顎洞である。大口蓋動脈があるため斜めにうつのは危険。
116回 C-75
インプラントの印象採得において、オープントレー法がクローズドトレー法に比
べて有利なのはどれか。 2 つ選べ。
a 術式の簡便さ
b 印象材の寸法安定性
c 開口量が少ない場合への適用
d 印象用コーピングの装着しやすさ
e インプラント体の傾斜に対する許容
解答:b e
解説:
オープントレー法とクローズドトレー法の一番の違いはトレーに穴が開いているかどうかである。
・オープントレー法:手技が複雑だがクローズドトレー法より精度が高い。
- 口腔内のインプラントに印象用コーピングを連結する。
- 印象する。このとき口の中の印象用コーピング(インプラントがある部位の目印になるもの)を専用のスクリューでねじをゆるめコーピングをピックアップ印象する。
- ピックアップ印象にインプラントアナログ(模型上で使うインプラント体のこと)を連結する。
- 石膏で模型を作る
・クローズドトレー法
- 印象用コーピングをインプラントに連結する。
- 印象し、インプラントに結合した印象用コーピングを口の中から取り外して印象の方につける。
- 印象の中の印象用コーピングにインプラントアナログを結合させる。
- 石膏を流し入れ口腔内模型を作ります。
a 術式の簡便さ:ねじを緩めたりする必要がないためクローズドトレーの方が楽。
b 印象材の寸法安定性:クローズドトレー法は無理矢理コーピングがあるのに印象をとるので変形しやすい。
c 開口量が少ない場合への適用:ねじで止めないでよく高さが出ないのでクローズドトレー法の方が楽。
d 印象用コーピングの装着しやすさ:ねじがないのでクローズドトレーの方が楽。
e インプラント体の傾斜に対する許容:オープントレー法の方が優れている。
116回 D-27
75 歳の女性。 5 年前に製作した下顎のインプラントオーバーデンチャーが外れ
やすくなったことを主訴として来院した。検査の結果、咬合状態には問題を認めな
かった。患者の口腔内写真(別冊No. 5A)、使用中の義歯粘膜面の写真(別冊No. 5
B)及びエックス線画像(別冊No. 5C)を別に示す。
適切な対応はどれか。 1 つ選べ。
a 新義歯の製作
b 粘膜面の調整
c アタッチメントの交換
d 固定性補綴装置の製作
e インプラントの追加埋入
解答:c
解説:
オーリングアタッチメントがついている。
丸いものがついたアタッチメントが下顎に見られる。義歯にはドーナツ型のゴムがついている。
ゴムが劣化してきたことが考えられる。
116回 D-34
インプラントオーバーデンチャーに用いる維持装置のうち、バーアタッチメントと比較した磁性アタッチメントの利点はどれか。 3 つ選べ。
a 良好な清掃性
b 維持力の恒常性
c 一次固定の効果
d 小スペースでの設置
e 側方力への大きな抵抗性
解答:a b d
解説:
a 良好な清掃性:バーは粘膜炎の発症多い
b 維持力の恒常性:バーは嵌合力が緩んでくるが磁力はずっと続く
c 一次固定の効果:機械的嵌合力による物理的な固定
d 小スペースでの設置
e 側方力への大きな抵抗性:クリップなのでバーの方が大きい
116回 D-44
58 歳の男性。咀嚼困難を主訴として来院した。診察の結果、上顎左側欠損部に
インプラント義歯を製作することとした。インプラント埋入手術のために製作した
装置(別冊No. 12A)と装置を用いた処置時の写真(別冊No. 12B)を別に示す。
この装置の使用目的はどれか。 2 つ選べ。
a 開口の保持
b 熱傷の防止
c トルク値の設定
d 埋入位置の規定
e 上顎洞穿孔の防止
解答:d e
解説:
ステント⇒正確な埋入ができ埋入方向や深度の深さを正確にする。
トルク値の設定⇒どの程度の力でしめるかの設定
116回 D-81
48 歳の女性。上顎前歯部の審美不良を主訴として来院した。診察の結果、固定
性インプラント義歯による治療を行うこととした。上部構造を装着する前(別冊
No. 31A、B)と装着後の口腔内写真(別冊No. 31C)を別に示す。
矢印の処置の目的はどれか。 1 つ選べ。
a 適合調整
b 接着力の強化
c 平行性の確保
d アバットメントの強化
e 装着セメント迷入の防止
解答:e
解説:
セメント固定式の上部構造を作るための支台歯形態のアバットメントである。穴の部分にネジを入れて上部構造を被せる。なのでこの穴にセメントが入ってしまうとふさがってしまってまずい・・・。