歯内療法学

歯内療法学 根管治療など

根管治療など

117回 A-28

クラウンダウン法でリスクが低下するのはどれか。 3 つ選べ。
a 器具破折
b 歯根破折
c 髄床底穿孔
d レッジ形成
e フレアアップ

解答:a d e

解説:

根管治療ってクラウンダウン法とステップバック法がある。

☆ステップバック法⇒根管から根尖に根管を拡大形成する一般的な根治法。細いファイルから徐々に太いファイルに替えて根管を拡大している方法。

☆クラウンダウン法⇒電動ドライバーを使う。根尖部まで開けて太いので拡大する方法。機械で回転しながらまず太いファイルで根尖まで拡大する。そして細いファイルで整える。機械で力を調整でき、上からちょっとずつ太くしていくので器具破折は防げる。

bcは拡大が最初太い器具のため気を付けなければいけない。

cレッジ⇒レッジっていうのは段差のこと。初め太い器具で大するので段差はつきにくい。

フレアアップ⇒治療前は痛みがなかったのに根管治療後に痛みが出ること。クラウンダウン法は根尖に届くのは一回だけなので根尖から汚染物質が漏れ出る可能性は減る。

117回 A-69

Ni-Ti ロータリーファイルの使用に際し必要なのはどれか。 4 つ選べ。
a 注 水
b 低速回転
c 誘導路形成
d 使用回数確認
e ファイルの亀裂確認

解答:b c d e

解説:

クラウンダウン法の問題。

ニッケルチタンロータリーファイルは使用回数が決まっている。太い ファイルで誘導路(ファイルが折れないように)を形成して細いファイルにして根管拡大する方法。

ファイルの亀裂は確認したい。

低速回転じゃないと折れる危険性がある。

水 いらない。EDTAを潤滑剤として使って 根管を脱灰させる。つまり、柔らかくしながら根管形成をする。

117回 B-36

根管治療に使用する次亜塩素酸ナトリウム溶液の性質はどれか。 2 つ選べ。
a 殺菌作用
b 発泡作用
c 化学的安定性
d キレート作用
e 有機質溶解作用

解答:a e

解説:

根管治療で使う薬剤と言えば?⇒次亜塩素酸ナトリウムと edta

・次亜塩素酸ナトリウム:有機質 つまり 体内で精製されたものを溶かす。殺菌作用あり。

・EDTA:無機質つまりスメアー層を溶かす。これをキレート作用という。

発泡作用はどちらもあり。

117回 B-60

59 歳の女性。下顎左側第一大臼歯の歯冠修復物脱離を主訴として来院した。 2
か月前に脱離したが痛みがないためそのままにしていたという。プロービング深さ
は全周 3 mm 以下で歯髄電気診に生活反応を示した。初診時の口腔内写真(別冊
No. 20A)とエックス線画像(別冊No. 20B)を別に示す。


 まず行うのはどれか。 1 つ選べ。
a 抜 髄
b 裏 層
c 間接覆髄法
d 感染根管治療
e 暫間的間接覆髄法

解答:a

解説:

電気診が生活反応⇒歯髄生きてる  ⇒よって抜髄!

X線写真⇒歯髄にまでう蝕が広がっている

3mm以下⇒歯周炎ではない

117回 C-83

下顎右側第一大臼歯のエックス線画像(別冊No. 36)を別に示す。


 近心根根尖部の根管形成に適した器具はどれか。 2 つ選べ。
a K ファイル
b 超音波チップ
c ピーソーリーマー
d ゲーツグリッデンドリル
e Ni-Ti ロータリーファイル

解答:a e

解説:

a K ファイル ⇒〇
b 超音波チップ ⇒スケーラー
c ピーソーリーマー ⇒根管口の漏斗状拡大
d ゲーツグリッデンドリル ⇒根管口明示
e Ni-Ti ロータリーファイル ⇒根管形成、根管拡大

117回 D-23

根管イスムスの確認に有効なのはどれか。 2 つ選べ。
a 電気的根管長測定
b マイクロスコープ
c 口内法エックス線撮影
d レーザー蛍光強度測定
e 歯科用コーンビーム CT

解答:b e

解説:

根管イスムスとは根管と根管をつないでいる側枝のこと。めちゃくちゃ細いため肉眼では見えにくい。

なのでb e

aは根尖からの電気抵抗をはかるもの。

117回 D-23

75 歳の男性。上顎左側臼歯部の咀嚼時痛を主訴として来院した。 2 週前から食
事中に仏痛を認め、つまようじを入れると激痛が生じるという。診察の結果、 5
の抜髄を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 1A)とエックス線画像(別
冊No. 1B)を別に示す。
 根管形成で用いるのはどれか。 4 つ選べ。
a プレカーブ
b リーミング
c 再帰ファイリング
d クラウンダウン形成
e ステップバック形成

解答: a c d e

解説:

a プレカーブ     :ファイルをあらかじめ曲げて根管に到達するようにするテクニック
b リーミング     :ファイルをぐりぐりしてねじ込む。ぐりっとしてかきあげる方法だが折れたりするのでほぼしない。
c 再帰ファイリング  :もう一度穿通させてファイルに戻って作業長を確認して洗浄する
d クラウンダウン形成 :Ni-Tiロータリーファイルを使う。機械でやるよ。
e ステップバック形成 :K]ファイルで。手動でやるよ。

なので答えはb以外。

117回 D-64

齲蝕の進行に伴う歯髄疾患と所見の組合せで正しいのはどれか。 1 つ選べ。
a 歯髄壊死      腐敗臭
b 急性壊疽性歯髄炎  波 動
c 急性化膿性歯髄炎  不顕性露髄
d 慢性潰瘍性歯髄炎  歯髄腔の閉鎖
e 慢性増殖性歯髄炎  自発痛

解答:c

解説:

a 歯髄壊死       腐敗臭は歯髄壊疽
b 急性壊疽性歯髄炎   死んでるし痛い
c 急性化膿性歯髄炎   死んでるし、不顕性露髄(実は感染歯質が歯髄に達している)
d 慢性潰瘍性歯髄炎   死んでる。露出した歯髄表層に潰瘍ができた。
e 慢性増殖性歯髄炎   痛みがはない。壊死せずに歯髄増殖。

117回 D-72

17 歳の男子。上顎右側側切歯の変色を主訴として来院した。10 歳ころに歯の色
の変化に気付いていたが、痛みがないためそのままにしていたという。自発痛はな
いが根尖部歯肉に圧痛がある。初診時の口腔内写真(別冊No. 23A)とエックス線画
像(別冊No. 23B)を別に示す。初診時の歯周組織検査結果の一部を表に示す。


 原因として考えられるのはどれか。 1 つ選べ。
a 盲 孔
b 斜切痕
c 歯冠破折
d 隣接面溝
e くさび状欠損

解答:a

解説:

根尖性歯周炎の状態=歯髄は死んでいると考えられる。

a 盲 孔:上顎切歯に多い
b 斜切痕:上顎2番に多い。口蓋側に見られる縦の線

2ができるときにまきこんでぎゅっとなって穴が開いたら盲孔。くぼみのままなら斜切痕

116回 A-40

根管治療時の所見で歯根尖切除の適応になるのはどれか。 3 つ選べ。
a 根管中央部に内部吸収がある。
b 根管拡大後も持続的な排膿がある。
c 根尖部に限局した歯根破折がある。
d 根尖孔から突出した破折器具がある。
e 根尖部根管壁にガッタパーチャポイントの残留がある。

解答:b c d

解説:

a 根管中央部に内部吸収がある。⇒根尖から治療してもどうにもならない。
b 根管拡大後も持続的な排膿がある。⇒根尖部のバイオフィルムが残っているため適応。
e 根尖部根管壁にガッタパーチャポイントの残留がある。⇒歯冠部からキレイに掃除しよう。

116回 A-65

 64 歳の女性。下顎左側第一大臼歯の歯肉腫脹を主訴として来院した。半年前か
ら違和感があり、 1 週前から自覚するようになったという。 左下6 は、自発痛はない
が、打診に反応がある。プロービング深さは全周 3 mm 以下であった。初診時の口
腔内写真(別冊No. 21A)とエックス線画像(別冊No. 21B)を別に示す。


   左下6 に行う処置で正しいのはどれか。 1 つ選べ。
a 切 開
b 歯根分離
c 感染根管治療
d ファーケーションプラスティ
e スケーリング・ルートプレーニング

解答:c

解説:

ポケット3mm以下

歯槽骨吸収:あまりない、根分岐病変もなし

瘻孔が見られ近心根に根尖病変が見られる。もうすでに根治されてるが再度やり直してみるのがよい。

116回 B-47

35 歳の女性。上顎右側第一小臼歯の咬合時の違和感を主訴として来院した。10
年前にかかりつけ歯科医で処置を受けたが、 2 週前から自覚するようになったとい
う。自発痛はないが、打診に反応がある。プロービング深さは全周 3 mm 以下で
あった。診察の結果、慢性根尖性歯周炎と診断した。初診時の口腔内写真(別冊
No. 17A)とエックス線画像(別冊No. 17B)を別に示す。


  原因として考えられるのはどれか。 3 つ選べ。
a 前装部の破損
b 不良な根管充塡
c 不適合な補綴装置
d 辺縁歯槽骨の吸収
e コロナルリーケージ

解答:b c e

解説:

写真から…

根管充填が不十分。

近心部に歯とコアに透過像、隙間がある。→補綴物が適合していない。

aは×

dは歯周病になったことが理由

eのコロナルリーケージは歯冠側からの細菌の侵入による。根治が終了した歯が再感染をおこすことをいう。

116回 B-64

16 歳の女子。上顎左側側切歯の違和感を主訴として来院した。歯髄電気診に生
活反応を示した。初診時のエックス線画像(別冊No. 23A)と 2 部の歯科用コーン
ビーム CT(別冊No. 23B)を別に示す。


  適切な対応はどれか。 1 つ選べ。
a 経過観察
b 歯髄鎮痛消炎療法
c 直接覆髄
d 抜 髄
e 歯根尖切除

解答:d

解説:

歯髄の中に黒い透過像がみられる。

歯髄が歯質を吸収している。つまり内部吸収が起こっている。→原因不明である。→抜髄。抜髄しなかったらどんどん吸収が進む。

116回 D-79

定型発達の 4 歳児の歯髄疾患において温度診への反応があるのはどれか。
2 つ選べ。
a 歯髄壊死
b 歯髄壊疽
c 歯髄充血
d 急性化膿性歯髄炎
e 慢性化膿性根尖性歯周炎

解答:c d

解説:

温度診に反応するということは歯髄が生きている。

c 歯髄充血:炎症によって歯髄内の毛細血管が拡張している状態で冷たいものがしみる程度である。
d 急性化膿性歯髄炎:ひどい自発痛。歯髄の中に膿がある状態。
e 慢性化膿性根尖性歯周炎:根尖部に透過像がある。歯髄が壊死したのち、細菌感染や根管充填後に感染したときにおこる。

116回 D-58

下顎左側第一大臼歯の髄腔開拡時のマイクロスコープ写真(別冊No. 21)を別に
示す。


  近心根管の根管形成開始時に使用する器具で正しいのはどれか。 3 つ選べ。
a ラルゴドリル
b 根管形成用バー
c ピーソーリーマー
d ゲーツグリッデンドリル
e インバーテッドコーンバー

解答:a c d

解説:

a ラルゴドリル
c ピーソーリーマー
d ゲーツグリッデンドリル

acdはフレアー形成に使う。根管口の漏斗状拡大を行う・

b 根管形成用バーは根管拡大に使う

e インバーテッドコーンバーは先が台形になっていて仕上げの研磨に使う。

116回 D-77

ガッタパーチャポイントで正しいのはどれか。 2 つ選べ。
a 殺菌効果がある。
b 非吸収性である。
c 圧接が可能である。
d 歯質接着性がある。
e 骨性瘢痕治癒を促進する。

解答:b c

解説:

ガッタパーチャポイント⇒酸化亜鉛が主成分。吸収されると困るので吸収されないもの。

dの歯質性接着性はなく、接着性はシーラーセメントの役目。

DH 32回 午前43

ISO規格の55号Kファイルの写真(別冊午前No.8)を別に示す。


正しいのはどれか。2つ選べ。

a ①の直径は0.55mmである。
b ②の角度は75士15度である。
c テーパーは4/100(4%)である。
d ①から③の長さは18mmである。

解答:a b

解説:

Kファイルである。

直径は0.55㎜、テーパーは2%、①~③の長さは16mm

DH 32回 午前95

47歳の女性。下顎左側第二大臼歯の疼痛を主訴として来院した。
検査の結果、直接抜髄を行うことになった。器具の写真(別冊午前No.38)を別に示す。

冠部歯髄の除去に使用するのはどれか。1つ選べ。

a ①
b ②
c ③
d ④

解答:b

解説:

歯冠部なので根管ではない。ラウンドバーを使う。

①Kファイル:根管拡大

③ピーソーリーマー:根管口の明示

④ブローチ:綿を巻いて使う。

DH 32回 午後38

ある操作中の口腔内写真(別冊午後No. 7) を別に示す。


使用できるのはどれか。2 つ選べ。

a 0.2%NaF
b 6.0%NaOCl
c 15.0%EDTA
d 30.0% H₂O₂

解答:b c

解説:

EDTA⇒無機質を溶かす

次亜塩素酸ナトリウム⇒有機質を溶かす

DH 32回 午後41

歯内治療に使用する水酸化カルシウム製剤の用途はどれか。2 つ選べ。

a 仮封
b 覆髄
c 根管消毒
d 歯髄鎮痛消炎

解答:b c

解説:

b覆髄といえば・・・⇒水酸化カルシウム製剤で行う。最近はMTAセメントもよく見られる。

c根管消毒⇒カルシペックスのこと。

DH 32回 午後43

17歳の男子。上顎左側中切歯の歯冠破折を主訴として来院した。直前に自転車で転倒したという。自発痛はない。
浸潤麻酔後、直接覆髄を行うことになった。初診時の口腔内写真(別冊午後No.11A)とエックス線画像(別冊午後No.11 B)を別に示す。


最初に行うのはどれか。1 つ選べ。

a 覆髄薬の貼付
b 露髄部の止血
c ラバーダム防湿
d 次亜塩素酸ナトリウムによる清掃

解答:c

解説:

写真Aより点状露髄が見られ、露髄していることが分かる。防湿により菌が入るのを防ぐ必要がある。

点状露髄は直接覆髄!歯冠破折のため菌による露髄ではないのでまだほぼ無菌。

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