117回 A-3
正面頭部エックス線規格写真で評価できるのはどれか。 2 つ選べ。
a 口唇突出度
b アデノイド肥大
c 上下顎骨の対称性
d 咬合平面の水平的傾斜
e 上下顎骨の前後的関係
解答:c d
解説:
軟組織はうつらないので、まず除外する。a bではない。
正面からの写真なので前後的関係は評価できない。
117回 A-51
頭頸部放射線治療の既往がある患者に対する歯科治療時の留意事項で正しいのは
どれか。 4 つ選べ。
a 誤 嚥
b 開口維持困難
c 唾液分泌過多
d 抜歯窩治癒不全
e 粘膜損傷による出血
解答:a b d e
解説:
放射線治療による副作用に口腔乾燥症がある。
a 誤 嚥 ⇒知覚神経の鈍麻により考えられる
b 開口維持困難 ⇒開きにくくなる。放射線治療はがん組織をやくため放射線を受けたところは瘢痕化して伸びにくくなるため。
c 唾液分泌過多⇒絶対違う
d 抜歯窩治癒不全⇒なおりにくい
e 粘膜損傷による出血⇒出血傾向。
117回 B-51
超選択的動注化学療法は( )を応用した画像診断的介入治療〈IVR〉である。
( )に入るのはどれか。 1 つ選べ。
a CT
b MRI
c PET/CT
d 血管造影
e 超音波検査
解答:d
解説:
選択的動注化学療法⇒癌のすぐ近くの動脈に細いカテーテルを入れてそこから抗がん剤を注入する方法。そうすることで癌のすぐ近くに抗がん剤を注入できる。
117回 C-2
口内法エックス線撮影の補助具の写真(別冊No. 1)を別に示す。
使用目的はどれか。 1 つ選べ。
a 線量の調整
b 頭部の固定
c 検出器の保持
d 散乱線の除去
e 画像コントラストの向上
解答:c
解説:
インジケイター。フィルムをインジケイターに固定して口腔内に入れて患者さんに噛んでもらう。
検出器とはフィルムやIP(イメージングプレート)とコーンの向きを固定する器具。
117回 C-19
成人において放射線の確定的影響〈組織反応〉が生じる最低線量はどれか。
1 つ選べ。
a 0.0005 Gy
b 0.005 Gy
c 0.05 Gy
d 0.5 Gy
e 5 Gy
解答:d
解説:
確定的影響とは一定量の放射線を受けると影響が現われる現象。
0.05Gyまでは大丈夫。0.5Gyぐらいから骨髄の造血能の低下などが見られる。
117回 C-88
55 歳の女性。上顎前歯のブリッジ部に食べ物が挟まることを主訴として来院し
た。ブリッジは 10 年前に装着したという。診察の結果、上顎左側側切歯の歯根破
折が認められたため、 2 を抜歯し、新しくブリッジを製作することとした。完成
した ③ 2 ① ① 2 ブリッジの写真(別冊No. 41A、B)と装着過程の一連の写真(別
冊No. 41C)を別に示す。
口腔内での調整後、装着までに行った操作を実施順に並べよ。
解答:試適調整 → ① → ② → ③ → ④ → ⑤ → 装着
a ア
b イ
c ウ
d エ
e オ
解答:c e a b d
解説:
ウオアイエ
口腔内での調整が終わった→研磨(茶色・青色のシリコーンポイントからのバフホイール=フランネルポイント)→サンドブラストで汚染物質除去→メタルプライマーで接着処理(ブラシで塗っている)
117回 Dー50
口腔扁平上皮癌に対する 1 日 1 回照射、 1 回線量 2 Gy の外部照射法による根治
的放射線治療として推奨されている線量はどれか。 1 つ選べ。
a 36~40 Gy
b 46~50 Gy
c 56~60 Gy
d 66~70 Gy
e 76~80 Gy
解答:d
解説:放射線治療は60~70Gyが一般的
117回 D-62
公衆被曝となる対象はどれか。 1 つ選べ。
a 放射線治療中の患者
b 造影検査の補助をする看護師
c 妊娠中の放射線診療従事者の胎児
d エックス線撮影を受ける患者を介助する家族
e 新しい CT 開発のために試験撮影に参加するボランティア
公衆被爆とは医療被曝と職業被爆を除いた全ての被爆のことで予期していない被爆のこと。
他は同意を得ている、予期している被爆だがcだけ同意を得ていない被爆。
116回 A-16
放射線によって誘発されるもののうち、確定的影響〈組織反応〉はどれか。
1 つ選べ。
a 潰 瘍
b 骨肉腫
c 白血病
d 突然変異
e 扁平上皮癌
解答:a
解説:
確定的影響と確率的影響がある。
確定的影響⇒一定量の放射線を受けると影響が現われる現象。しきい値がある。
確率的影響⇒放射線を受ける量が多くなるほど影響が現われる確率が高くなる。癌など。
116回 A-53
悪性腫瘍に対する緩和照射で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
a 痛みを軽減する。
b 治癒を目的とする。
c 易出血性を改善する。
d 化学療法を併用する。
e 標準治療と同じ総線量を要する。
解答:a c
解説:
緩和照射⇔根治照射
d 化学療法を併用する。→ネオアジュバント化学療法のこと。手術の前に抗がん剤による治療を先行すること。
116回 A-8
職業被曝の等価線量限度が、 5 年間で 100 mSv かつ 1 年間で 50 mSv である臓器
はどれか。 1 つ選べ。
a 脳
b 肺
c 唾液腺
d 赤色骨髄
e 眼の水晶体
解答:e
解説:
令和3年に線量限度の引き下げがあった。
被爆者の追跡調査の結果からより低い線量で目の水晶体に白内障が発症する事例があったので改正で引き下げられた。
116回 B-48
小児に対する口内法エックス線撮影において、患児の重要臓器の被曝軽減に有効
な方法はどれか。 1 つ選べ。
a 円形絞りの使用
b 高管電圧の設定
c ポケット線量計の使用
d 甲状腺プロテクターの着用
e 最小サイズのセンサーの使用
解答:d
解説:
小児は放射線に対する感受性が高いため被爆線量を低下させるため甲状腺プロテクターを推奨。
dのポケット線量計は医療関係者が持続的につける。
116回 B-88
我が国において口腔癌に対する組織内照射に現在用いられている線源はどれか。
2 つ選べ。
解答:a c
解説:
小線源治療の話。
小線源治療⇒組織内照射。体の中から照射する。γ線やイリジウム、金、ヨウ素など
116回 C-18
歯科用コーンビーム CT の適応となるのはどれか。 1 つ選べ。
a 舌 癌
b 耳下腺炎
c 類皮囊胞
d 含歯性囊胞
e 扁桃周囲膿瘍
解答:d
解説:
コーンビームCT =CBCT。3D画像。CTよりも低い線量で高い空間分解能の画像を得られる。
適応×⇒軟組織、悪性腫瘍、蜂窩織炎などの広範囲の炎症
適応〇⇒骨や歯の硬組織
含歯性嚢胞は硬組織にできるので正解。
116回 C-22
主として被写体の光電効果により画像コントラストが形成されるのはどれか。
2 つ選べ。
a CT
b MRI
c PET
d 超音波検査
e パノラマエックス線撮影
解答:a e
解説:
光電効果⇒物質に光が当たると中の電子が出てくる。このことをいう。光電効果に伴ってX線、ガンマ線が吸収される。
PET⇒PETはガンマ線を出す原子の場所と量を測定しているのでコントラストを表現できるが、光電効果ではない。PETは内側からの信号をキャッチしているのに対してCTは外からの信号をキャッチしている。PET単体では光の粒しか映らないのでCTと併用する場合が多い。CTと重ねて初めて場所が分かる。
答えはX線を使用しているCTとパノラマ。
116回 C-61
MRI T2 強調像で高信号を呈するのはどれか。 3 つ選べ。
a 硝子体
b 鼻粘膜
c 脳脊髄液
d 顎関節円板
e 胸鎖乳突筋
解答:a b c
解説:
MRI は骨の影響を受けない。
T1強調画像⇒脂肪が白色
T2強調画像⇒液体や水分が白色
T2強調画像は水や嚢胞などが白い。
白← 水 脂肪 浮腫 筋肉 →黒
a 硝子体:ゼリー状、液体っぽい
b 鼻粘膜:液体多い
c 脳脊髄液
d 顎関節円板:線維なので黒
e 胸鎖乳突筋:筋肉は黒
116回 C-79
舌癌に対する動注化学療法を行う際の確認画像(別冊No. 32)を別に示す。
撮像に用いられている放射線はどれか。 1 つ選べ。
a ガンマ線
b 重粒子線
c ベータ線
d アルファ線
e エックス線
解答:e
解説:
動注化学療法:血管からカテーテルを挿入してがん組織に流れる動脈に直接抗がん剤を流す。
高精度のX線を見ながらカテーテルを挿入する。難しいので手技が必要。
放射線治療ではないので画像を作るときに使うのはX線画像。
116回 D-7
放射線の生物学的影響の過程で最も早期に起こるのはどれか。 1 つ選べ。
a DNA の損傷
b アポトーシス
c ネクローシス
d カスパーゼの活性化
e クロマチンの断片化
解答:a
解説:
放射線の影響
DNAの損傷⇒アポトーシス⇒突然変異⇒組織・臓器の損傷⇒発がん⇒遺伝的影響
DNAが損傷すると遺伝情報の喪失や偏印の原因となってしまう。
116回 D-12
エックス線画像(別冊No. 1)を別に示す。
認められる所見はどれか。 1 つ選べ。
a 骨膨隆
b 病的骨折
c 虫くい状骨吸収
d すりガラス様不透過像
e タマネギの皮状の骨膜反応
解答:a
解説:
境界明瞭な透過像、歯冠を含んでいる⇒含歯性嚢胞
左側下顎角付近に骨膨隆がみられる。
d すりガラス様不透過像:線維性異形成症とか
e タマネギの皮状の骨膜反応:骨髄炎とか。骨膜周囲に病的状態がある。
116回 D-16
行為の正当化により軽減させることができる被曝はどれか。 1 つ選べ。
a 医 療
b 宇 宙
c 食 品
d 大 地
e ラドン
解答:a
解説:
行為の正当化⇒放射線防護の原則の一つ。放射線を使う行為は利益がリスクを上回る場合のみ認められるという大原則に基づいている。
aの医療だけ人為的。bcdeは自然から。
eのラドンはラジウム光線のこと。
116回 D-36
小児における放射線治療で晩期障害を受けやすいのはどれか。 1 つ選べ。
a 舌
b 口 唇
c 口 底
d 歯 肉
e 歯 胚
解答:e
解説:
晩期障害⇒長期間の潜伏期間を経てから発症する。
a~dの粘膜は炎症や唾液腺障害が急性障害として見られる。
DH 32回 午後35
放射線感受性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a 肺
b 骨髄
c 軟骨
d 唾液腺
解答:b
解説:
放射線感受性は細胞分裂が盛ん、分化の程度が低い部位ほど高い。
骨髄にある造血管細胞は分裂しながた血液成分になるため。
DH 32回 午後84
頭頸部癌に対する放射線治療の早期にみられる有害事象はどれか。
2 つ選べ。
a う蝕
b 嚥下痛
c 味覚障害
d 顎骨骨髄炎
解答:b c
解説:
早期→粘膜に炎症、唾液腺障害、貧血、易出血性、易感染性など
晩期→骨髄炎、白内障、癌など
粘膜炎や口内炎による嚥下痛が考えられる。
DH 32回 午後97
口内法エックス線撮影で使用する器具の写真(別冊午後No.42)を別に示す。
この器具の使用で防止できるのはどれか。1 つ選べ。
a 二重撮影
b コーンカット
c 照射時間の不足
d フィルムの裏返し
解答:b
解説:
インジケーターである。
コーンカットとは簡単に言えば、撮りたいものがフィルムから見切れること。
インジケーターはフィルムの位置やコーンの向きを固定して正しい角度で撮影するためのものである。