摂食嚥下

摂食嚥下

117回 A-67

食事の際の軽度のむせと運動能力の低下を自覚している高齢者に行うのはどれ
か。 3 つ選べ。
a 舌圧検査
b 咬合力検査
c ポリソムノグラフィ
d 頭部エックス線規格撮影
e オーラルディアドコキネシス

解答:a b e

解説:

ポリソムノグラフィ⇒睡眠時無呼吸を調べる検査

オーラルデアドコキネシス⇒パタカをいかに早く発音できるかの検査。舌や口唇の機能を見る。

117回 B-50

75 歳の男性。食事時のむせを主訴として来院した。 3 年前に脳梗塞の診断を受
けたが、認知機能の低下や四肢麻痺はなく、現在は積極的なリハビリテーションを
行っていないという。食事形態はミキサー食で水分にはとろみをつけておらず、20
分程度で全量食べているとのことであった。初診時に行った改訂水飲みテストでむ
せを認めたが、嚥下時の喉頭挙上量は十分であった。嚥下造影検査の画像(別冊
No. 15)を別に示す。


 推奨されるのはどれか。 3 つ選べ。
a 頭部挙上訓練
b プッシング訓練
c アイスマッサージ
d 水分のとろみ付与
e 息こらえ嚥下の指導

解答:b d e

解説:

液体嚥下後⇒気管に入っている。

とろみつき液体嚥下後⇒咽頭に造影剤が残っている。

以上から誤嚥していてちゃんと飲み込めていない。なので誤嚥防止と嚥下訓練を選ぶ。

プッシング訓練:腕に力を入れた時に起こる反射的な息こらえ⇒声門の閉鎖運動を強化することで誤嚥を防ぐ。

息こらえ嚥下:息こらえで声門を閉鎖して気管に食物が入りにくくする。

C のアイス マッサージは 嚥下 反射を誘導するために行う 。嚥下はできてるから違う。

117回 C-26

摂食嚥下障害患者に対して行う間接訓練の様子(別冊No. 6)を別に示す。
 この訓練によって改善を目指すのはどれか。 1 つ選べ。
a 咬合力
b 口唇閉鎖
c 声門閉鎖
d 舌可動域
e 唾液分泌

解答:c

解説:

プッシング訓練。手で壁を押して上肢に力を入れる運動。これにより反射的に息こらえがおこる。⇒声帯の閉鎖や軟口蓋の挙上を改善する。

117回 C-74

72 歳の男性。経口摂取を希望して来院した。 2 年前に上顎右側歯肉癌で上顎亜
全摘と肩甲骨・広背筋皮弁による即時再建が行われ、現在まで胃瘻で栄養管理さ
れ、義歯は使用していないという。口腔清掃後に行った反復唾液嚥下テストは 1 回
( 2 回以下を異常値とする)、改訂水飲みテストでは 2 点(嚥下あり、むせなし、
呼吸切迫あり)であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 30)を別に示す。


 次に行うべきなのはどれか。 2 つ選べ。
a 咳テスト
b 発語機能検査
c フードテスト
d スパイロメトリ
e オーラルディアドコキネシス

解答:a c

解説:

反復嚥下テスト⇒30秒で3回以上唾を飲めたら誤嚥大丈夫。

改訂水飲みテスト⇒うまくむせれずに呼吸が乱れる。

a 咳テスト⇒咳がい反射を見る。ちゃんと咳がでるか。
b 発語機能検
c フードテスト⇒液状食品を食べてもらい嚥下反射などを見る
d スパイロメトリ⇒肺機能検査
e オーラルディアドコキネシス⇒パタカを何回発音できるか

117回 C-84

76 歳の男性。話しづらいことを主訴として来院した。 3 年前に脳出血を発症し
たが、現在リハビリテーションを受けておらず、主訴以外に気になる点はないとい
う。上咽頭から評価した嚥下内視鏡検査の画像(別冊No. 37)を別に示す。


 影響を受けると思われるのはどれか。 3 つ選べ。
a / a /
b / m /
c / n /
d / p /
e / t /

解答:a d e

解説:

鼻咽腔が開いている状態。空気が鼻の方に漏れてしまう。⇒鼻から息を抜く音には影響ない。⇒鼻音m nに影響はない。

なので a d eが答え。

母音はどれも鼻咽腔を閉じている。ptは無声子音で完全に閉鎖して一気に開放する破裂音。

117回 D-21

摂食嚥下の 5 期モデルにおいて鼻咽腔閉鎖がみられるのはどれか。 2 つ選べ。
a 先行期
b 準備期
c 口腔期
d 咽頭期
e 食道期

解答:c d

解説:

鼻咽腔閉鎖が見られる=咽頭へ食物が送り込まれるとき

a 先行期  :口に入れるまで
b 準備期  :咀嚼
c 口腔期  :嚥下反射がおこるときで食物を咽頭に送り込む
d 咽頭期  :食塊を一瞬で咽頭から食道へ送る
e 食道期  :胃に運ぶ

なので答えはcd

117回 D-30

78 歳の男性。食事に時間がかかることを主訴として施設から歯科訪問診療の依
頼があった。 2 か月前に脳梗塞の診断を受けたが、現在も普通食を自力摂取してお
り、液体にはとろみをつけていないがむせは認められないという。誤嚥性肺炎の既
往はない。口腔衛生指導後に行った口腔機能検査の結果、口腔機能低下症には該当
しなかったが、オーラルディアドコキネシスで「パ」音のみ 5 回(基準値 6 回)で
あった。初診時の安静時顔面写真(別冊No. 4A)と口腔内写真(別冊No. 4B)を別に
示す。
 主訴の改善のために次に行うのはどれか。 1 つ選べ。
a 味覚検査
b 嚥下造影検査
c 嚥下内視鏡検査
d ミールラウンド
e 改訂水飲みテスト

解答:d

解説:

オーラルディアドコキネシス:パ タ カをできるだけ多く言えるかどうかの検査。

舌や口唇、口蓋などの運動速度や巧緻性を発音で評価する。

写真より:左側の唇が閉じれていない

文中より、むせはなく食べれているので経過観察でよいのでは・・・?と見当をつける。

b,c,eはむせがないので必要ない。

dのミールラウンドは食事の摂取状態から咀嚼能力・嚥下や姿勢などに関して評価するものなので正解。

117回 D-69

76 歳の男性。飲み込みづらいことを主訴として来院した。 3 年前に脳梗塞を発
症し、回復期病院でリハビリテーションを行ったが、現在も片麻痺が残存している
という。食形態はミキサー食であり、液体にはとろみをつけていないがむせること
なく全量を摂取しているという。初診時に行った口腔機能検査では異常値が認めら
れなかったため、嚥下造影検査を行うこととした。液体嚥下時の嚥下造影検査の画
像(別冊No. 21)を別に示す。
 嚥下時に推奨される代償的アプローチはどれか。 1 つ選べ。
a 頸部回旋
b 頸部伸展
c うなずき嚥下
d 体幹角度調整
e 液体のとろみ付与

解答:a

解説:

真ん中の写真:飲み込めているけれど左側に食べ物が偏っていることがわかる。

最後の写真:右側で止まっている。⇒右側飲み込めていない⇒飲み込みづらいと感じる原因

aの頸部回旋:首を回した反対側の梨状窩が通過しやすくなる。⇒食道の入口が開きやすくなる⇒ひっかかるのを防止できる。

bは頸部伸展じゃなくて顎引きにする。顎引きも加えるとより安全に飲み込める。

116回 A-29

摂食嚥下リハビリテーションにおける頭部挙上訓練により機能回復が期待できる
筋はどれか。 3 つ選べ。
a 咬 筋
b 顎舌骨筋
c 茎突舌筋
d 顎二腹筋前腹
e オトガイ舌骨筋

解答:b d e

解説:

頭部挙上訓練:喉頭の前上方運動を改善して嚥下を促す。⇒喉頭の動きに関連する筋や骨を考える⇒舌骨上筋群が嚥下の際に喉頭を引き上げる役割をしている。

なので舌骨についていない筋肉は間違い。aの咬筋は頬骨と下顎骨についている、cの茎突舌筋は側頭骨と舌についている。

舌骨上筋群は顎舌骨筋、顎二腹筋、茎突舌骨筋、オトガイ舌骨筋がある。

116回 B-39

91 歳の男性。家族からの希望があり、歯科訪問診療を行った。高齢者施設に入
所中である。意思の疎通は可能で歯科治療に協力的であるが、すべての BDR 指標
は全介助である。食形態はミキサー食であり、むせることはなく全量を摂取してい
るという。初診時の口腔内写真(別冊No. 14A)と使用中の義歯の写真(別冊No. 14
B)を別に示す。


  まず行うのはどれか。 1 つ選べ。
a 粘膜調整
b きざみ食への変更
c 義歯の適合性改善
d 上顎前歯部の歯冠補綴
e 介護者への口腔清掃指導

解答:e

解説:

口腔内に食渣、プラーク、歯石がついていて口腔内清掃状態が悪い。義歯も清掃不良。なのでe

まずって聞かれたら清掃とか口腔衛生指導を選べばいいよ!

116回 B-85

 72 歳の男性。食事時のむせを主訴として来院した。脳梗塞の既往があり、脳神
経内科に通院中であるという。口腔機能検査では異常が認められなかったものの、
嗄声を生じていたので耳鼻咽喉科医に精査を依頼した。嚥下内視鏡検査の結果、液
体摂取時に誤嚥が認められたため、機能改善を目指した訓練を行うこととした。安
静時と「イ」発声時の嚥下内視鏡画像(別冊No. 37)を別に示す。


  推奨されるのはどれか。 1 つ選べ。
a 咀嚼訓練
b 舌抵抗訓練
c プッシング訓練
d バルーン拡張訓練
e ブローイング訓練

解答:c

解説:

声帯を見ている。

発生時に隙間があると空気が漏れてしゃがれ声になってしまう。右側は閉じているが左側は閉じていない。

声門の閉鎖機能の運動を強化する必要がある。また、誤嚥性肺炎の予防にもなる。

声門を鍛える⇒プッシング訓練

d バルーン拡張訓練:嚥下訓練
e ブローイング訓練:鼻咽腔閉鎖不全を改善をする訓練

116回 C-58

舌圧が低下した摂食嚥下障害患者に対して、舌接触補助床を用いて嚥下時の食塊
移送を改善するのはどれか。 1 つ選べ。
a 経済的アプローチ
b 心理的アプローチ
c 代償的アプローチ
d 治療的アプローチ
e 環境改善アプローチ

解答:c

解説:

代償的:治療で回復していない部分を別の方法で補いながら改善する方法。

舌接触補助床:舌を口蓋に接触しやすくすることで喋ったり飲み込んだりする機能を回復させる。

116回 C-80

88 歳の男性。介護者から食事時間の延長が認められるとの訴えがあり、歯科訪
問診療を行った。Lewy 小体型認知症の診断を受けて特別養護老人ホームに入所中
であり、生活全般にわたり全介助を必要としている。現在の食形態はミキサー食で
ある。上顎義歯を有していないが、家族は積極的な歯科治療を望んでいない。初診
時の口腔内写真(別冊No. 33)を別に示す。


  まず行うのはどれか。 2 つ選べ。
a 間接訓練
b 舌圧検査
c 口腔衛生管理
d 嚥下内視鏡検査
e 食事場面の評価

解答:c e

解説:

「まず」とくれば清掃指導や清掃管理

eの食事場面の評価は何が問題なのかをまず見ることができる

aの間接訓練だが食べ物を用いずに行う訓練で筋力を鍛える。

DH 32回 午前32

72歳の女性。脳梗塞の後造症があり自宅で療養生活を送っている。
上下顎全部床義歯を装着しており、嚥下機能に問題はない。歯科医師の指示により
歯科衛生士が口腔健康管理を行っている。聴取した情報を下記3文で示す。


・食事の準備は夫が行い、食事は自立している。
・食事に時間がかかり、疲れて食べ残すことが多い。
・身長は150cmで体重は45 kgであったが、体重が半年間で11 %減少したという。

特に連携すべき専門職はどれか。1つ選べ。

a 管理栄養士
b 言語聴覚士
c 作業療法士
d 理学療法士

解答:a

解説:

3文から食事は食べれているのに食べ残すことが多い、体重が減少と分かる。

栄養状態が悪いことが考えられる。栄養、食事形態などを見直す必要がある。

DH 32回 午前59

68歳の女性。頭部外傷で急性期病院に入院したため、食事時の注意点について歯科に問い合わせがあった。
摂食嚥下機能評価を行ったところ嚥下が可能であったが評価時の咳は認められなかった。
評価時の写真例(別冊午前No.20) を別に示す。


適切な指導内容はどれか。1 つ選べ。

a ーロ量を少なくする。
b 交互嚥下で水を用いる。
c 嗄声を確認しながら食事をとる。
d リクライニングの姿勢て食事をとる。

解答:c

解説:

咳テスト。ネブライザーにクエン酸を入れて口に噴射し、むせるかどうかを見るテスト。

DH 32回 午前106

口腔筋機能療法<MFT>の目的はどれか。2つ選べ。

a 口腔習癖の改善
b 唾液分泌の促進
c 誤燕性肺炎の予防
d 筋圧の不均衡の是正

解答:a d

解説:

口腔周囲の筋肉、舌や口唇、頬を正常な環境に整える訓練。舌や口唇を正しい位置に。

DH 32回 午前108

摂食嚥下障害に対する間接訓練について説明している時の写真(別冊午前No.47)を別に示す。


この訓練により機能の改善が期待できるのはどれか。2つ選べ。

a 口唇閉鎖
b 舌骨挙上
c 軟口蓋挙上
d 食道入口部開大

解答:b d

解説:

頭部挙上訓練⇒喉頭挙上を促すための訓練。舌骨上筋群、喉頭挙上筋群の筋力を強化するのが目的。喉頭が塞がれなければ誤嚥してしまう。

DH 32回 午前110

68歳の男性。食事の時うまく飲み込めないことを主訴として来院した。
食塊形成ができず、口腔や咽頭に食物が残留し、嚥下後の誤嚥がみられる。診断の結果、直接訓練を行うことになった。
訓練に使用する食材の側方からの写真(別冊午前No.49A)および斜め上方からの写真(別冊午前No.49B)を別に示す。


この訓練はどれか。1つ選べ。

a 脱感作
b 嚥下の訓練
c 鼻咽腔閉鎖訓練
d 筋のリラクゼーション

解答:b

解説:

ゼリー。誤嚥があるとのことから嚥下訓練が必要。

口腔や咽頭に食物が残留し⇒食塊が形成できてない。

DH 32回 午後19

摂食嚥下運動の過程におけるある時期を図に示す。

該当するのはどれか。1 つ選べ。

a 準備期
b 口腔期
c 咽頭期
d 食道期

解答:a

解説:

認知期:食物を認識

準備期:食塊形成

口腔期:食塊を咽頭へ送り込む

咽頭期 :ここから嚥下!食塊を咽頭から食道へ

食道期:食塊を食道から胃へ

DH 32回 午後37

83歳の男性。食事時のむせがあるとのことで、家族の協力のもと摂食嚥下機能検査を行った。検査時の写真(別冊午後No.6) を別に示す。


この検査の特徴はどれか。2 つ選べ。

a 侵襲が軽度である。
b 造影剤が必要である。
c エックス線被曝がある。
d 訪問診療で利用できる。

解答:a d

解説:

嚥下内視鏡である。

X線も使わず造影剤も使わなく簡便に検査できる。喉頭の動きを見ることができる。

DH 32回 午後58

摂食感下障害により長期にわたり経口による栄養摂取が不可能と考えられる
患者で消化管に問題がない場合、適切な経管栄養法はどれか。
1 つ選べ。

a 胃瘻
b 経鼻経管栄養
c 中心静脈栄養
d 末梢静脈栄養

解答:a

解説:

消化管に問題がないとこのことで、直接消化管に栄養を送れる胃瘻。

静脈栄養は消化管の働きも十分でないときである。

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